『しあわせの子犬たち』
今日、若林千鶴さんから、新刊が届きました。
『しあわせの子犬たち』(M・ラバット作/若林千鶴訳/むかいながまさ絵/文研出版)
エリザベスは、毎年夏になるとおばあちゃんの農場に行きます。おじいちゃんが亡くなってから、おばあちゃんは農場でひとり暮らし。いえ、飼い犬のコリー犬、エルシーと、ひとりと1匹の暮らしです。
エリザベスの両親はおばあちゃんを心配して自分たちの近くに引っ越してくるよう誘っていますが、おばあちゃんはなかなかうんと言いません。でも、エリザベスにはわかっています。おばあちゃんが、思い出のつまったこんなすてきな場所を離れるはずはないのです。
エリザベスの両親が帰ってしまうと、おばあちゃんは言いました。「今年の夏はね、とびきりすてきな、秘密のできごとが起こるのよ」さあ、その「秘密」とは、なんでしょう? それは、おばあちゃんの飼い犬、エルシーがもうすぐ赤ちゃんを産むということだったんです!
犬が赤ちゃんを産むって、どんなふうなのでしょう? エリザベスは知りません。わたしも知りませんでした。おばあちゃんがお産にそなえて、いろいろと準備をするのを、エリザベスといっしょにおっかなびっくり、そしてわくわくしながら見つめました。この本には、エルシーの出産、生まれた赤ちゃんたちの世話、そして、その子たちの貰い手を探すまでのようすが、エリザベスの澄みきった目で、ていねいに描かれています。エリザベスは、6匹の子犬それぞれの個性を見分けます。どの子にも、幸せになってほしい。子犬たちは、おばあちゃんとエリザベスの手を借り、それぞれの本能の力にもよって、自分にふさわしい飼い主に選ばれ、ふさわしい家庭にもらわれていきます。画家のむかいさんは、出産シーンなど、獣医師の監修を受けて正確に描かれたということですが、ひとつひとつの挿絵を、1匹1匹の子犬たちを、深い愛情をこめて描かれているのがじんわりと伝わってきます。大きな文字の短めのお話なので、あっというまに読めてしまったのですが、そこにはさまざまな深い想いが豊かにあふれていて、ほんとうにこんなに短いお話だったのかしらと、本の厚みを何度もたしかめてはふしぎに思いました。温かく、優しい物語です。
時節柄、若林さんの訳されたもう一冊の子犬の本も思い出しました。


















































Comments
トラックバックとコメント、ありがとうございました。
こちらの素敵なレビューとは比べモノにはなりませんが、数あれば……と思いつけさせていただきました。
『おかあさんのおっぱい』今家に待機しています。ここ数日で寝る前に読む予定です。
Posted by: shoko | December 08, 2008 at 03:47 PM
shokoさん
トラックバック、ありがとうございました。shokoさんのまっすぐで優しいレビュー、ちょくちょく拝見しています(^^)。
『おかあさんのおっぱい』、タイトルからして、うふふですよね。意外と知らない「おっぱい」があってびっくりしました。
Posted by: 杉本詠美 | December 08, 2008 at 08:20 PM